アルファ156GTAの絶版部品を3Dプリンタで再現
サムネ画像だけ見て何の話か理解したアナタは156オーナーですね?
そう、よく脱落するアレこと「ジャッキポイントカバー」です。
私もご他聞に漏れず紛失しました。
コイツは生き残った反対側のカバー。
取付は左右の僅かな張り出しを車体側の溝にはめ込んで、チョイと金具で押えるだけ。こんなん落ちるって。
で、ダメ元でDに聞いみたら当然「日本国内に在庫は有りません」「本国にも多分有りません」とのこと。
ちなみに中古部品はサイドステップ丸ごとで相場は大体3万円也。
さてどうしたものか・・・と3ヶ月程放置していましたが、
あぁ!有るじゃないか目の前に入手手段が!てな訳で社内の3Dプリンタで製作してみました。
素材はカーボンPLA。カーボンと聞くとテンション上がりますが、各造形積層面の癒合が上手く行かない限り強度面の恩恵は無さそうです。
比べるとこんな感じ。はめ合い部分が車体側から逃げない様に内部にリブを追加し連結してみました。
金具の部分は強度的に耐えられそうに無いので敢えてオミット。固定はテープでも貼るか、サイドステップごとカッティングシートで塞ぐかします。
で、これが・・・こうなりました!
カメラの具合でたまたま色が合っていることも有りますが、なかなか上手く行きました。
完璧に仕上げるとなると積層の段々を板金パテで埋めてプロに塗装してもらう必要が有りますが・・・
私の車両はこの上からカッティングシートで封印し取り合えず納得とします。
仕事以外で3Dプリンタを触ることはあまり無いのですが、こんな利用もアリですね。
後は耐候性か・・・さて何年保つかな?
By T.T
(2020/9/9 追記)
約10か月程経過しましたが、今のところ問題なさそうです。
こういったレストア部品への3Dプリンタの利用も十分アリですね。
(こちらの記事は旧HPにて2019/11/29に投稿したブログ記事を再編・追記して掲載しております。)
岸 竜也 (きし たつや)
株式会社キシテック 代表取締役
3Dプリンターを使ったモノづくりを提案しています。
機械設計を生業としてきたため、設計力に自信があります。
様々な分野から、試作品等の依頼を受け、製品化のお手伝いを多数してきました。
手書きの絵から、3Dデータを起こして、3Dプリントすることも。
自身も設計のみならず、機械加工、機械板金加工、溶接などのモノづくりを経験してきた実績があり、いろいろモノづくりを相談出来ます。
現在は石川県工業試験場様や、ISICO(石川県産業創出支援機構)様、JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)様、石川工業高等専門学校様などと、繋がり多方面での対応が可能です。