2D・イラスト⇒3D化⇒3Dプリントのお話④
おはようございます、こんにちは、こんばんは、担当Yです。
第四回目の更新も叶いました(笑)
今回は3Dプリントの実施になります。
さっそく、進めていきましょう。
STEP3.[3Dプリントの実施]
使用するのは、「Mars Pro」という機種で光造形方式の3Dプリンタになります。
低価格ですが、精度は良好です。(担当Yの私物)
光造形方式の3Dプリンタが気になっている方にはオススメですよ。
カバーを外すと、こんな感じです。
上部に見えるのがビルドプレート、下部に見えるのがレジンタンクになります。
造形の際、ビルドプレートにラフトがしっかり張り付くことで、
その後の造形物もくっついてくれます。
引き上げタイプの造形方法になるため、見た目としては逆さに造形されます。
※ラフトについては、前回のお話③をお読みください。
続いて使用材料です。「Mars Pro」対応のUV硬化レジンになります。
画像はグレーですが、レッドやグリーンなど様々な色が購入可能です。
STEP3-1.[材料の準備]
では、出力の準備をしていきます。
まずは、材料のUVレジンをボトル内で良く振って、混ぜます。
こうすることで、レジンが良く攪拌され性能を発揮しやすくなります。
続いて、攪拌したUVレジンをレジンタンクに注いでいきます。
レジンタンクは底面が透明フィルムになっており、
UVライトがタンク内に届くようになっています。
※MAXのラインがあるので入れすぎないように注意します。
注いだレジンは攪拌したばかりなので、小さい泡が沢山あります。
この泡は、造形時に気泡になって造形不良になる場合があります。
その為、ドライヤー等を使って小さな泡を取り除きます。
※温風にしておけば、レジンの温度も上昇し、性能発揮しやすくなります。
気泡が取り除けたら、3Dプリンタにレジンタンクをセットします。
これで、材料の準備が完了しました。
STEP3-2.[3Dプリンタの準備とプリント開始]
続いて3Dプリンタの電源をいれ、
前回作った、スライスデータをUSBメモリから3Dプリンタに読み込ませます。
※延長ケーブルをつけて3Dプリンタ側の端子劣化を防いでいます。
ボウリングガニのスライスデータがあることを確認します。
確認ができたら、再生ボタンを押してプリント開始です。
このプリンタの仕組みとしては、
スライスデータ1層分のレジンをUVライトで固め、
固め終わったら、次の1層を作ると言う手順になります。
この手順を1100回近く行うので、完成まで5時間30分ほど掛かります。
そして、5時間30分経つと・・・
で き ま し た・・・
異物感が出ていて、異様なオーラを感じます。(笑)
STEP3-3.[造形物の洗浄と2次硬化]
5時間30分かけて、造形が完了しました。
しかし、どろどろしていて扱いにくいので、
IPA(イソプロピルアルコール)による洗浄とUVライトでの2次硬化をさせていきます。
こちらが洗浄と硬化の両方を行える装置になります。(担当Yの私物)
洗浄と硬化作業がワンボタンで切り替えられるので重宝しています。
まずは、IPAが入ったタンクに造形物を入れて、洗浄します。
タンクの底にはスクリューがあり、造形物全体を洗浄できます。
洗浄後は、タンクを外してターンテーブルに付け替えて
UVライトモードにし2次硬化させます。
この作業で目には見えない層と層の隙間などを完全に硬化させることが出来ます。
これらの処理が終わると、SNSにアップした
こちらの状態となります!
これが、3Dプリント出力の流れとなります。
次回は、サポートを外して、最終仕上げをしていきたいと思います。
では、次回もお楽しみに
担当Y
岸 竜也 (きし たつや)
株式会社キシテック 代表取締役
3Dプリンターを使ったモノづくりを提案しています。
機械設計を生業としてきたため、設計力に自信があります。
様々な分野から、試作品等の依頼を受け、製品化のお手伝いを多数してきました。
手書きの絵から、3Dデータを起こして、3Dプリントすることも。
自身も設計のみならず、機械加工、機械板金加工、溶接などのモノづくりを経験してきた実績があり、いろいろモノづくりを相談出来ます。
現在は石川県工業試験場様や、ISICO(石川県産業創出支援機構)様、JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)様、石川工業高等専門学校様などと、繋がり多方面での対応が可能です。