【方式別紹介】理屈は至ってシンプル!シート積層3Dプリンタ

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ

このシリーズも第5弾まで来ましたね。
前回は熱溶解積層方式3Dプリンタ(FDM,FFF方式)をご紹介しました。

今回はシート積層方式の3Dプリンタについてまとめていきます。

シート積層方式3Dプリンタ

積層造形の最も典型的な製法の一つであり、
シート状の素材を積層して、レーザーカットによって造形していきます。

Laminated Object Manufacturing(LOM,ラミネート製造法)と
Ultrasonic Consolidation(UC,超音波結合法)という2つの分類がある。

ラミネート製造法ではポリ塩化ビニルを使用した薄いシートが用いられ、
シートとシートの間に特殊な接着剤を塗布することで接着し積層していきます。

超音波結合法では薄い金属箔が用いられ、超音波によって金属を接合します。

それぞれ接合の手法はことなりますが、1層のシートの厚みは約0.2mm程で、
比較的滑らかな表現が可能です。この方式は基本的にはプロトタイプの作成に
使用されますが、最大の特徴は大きな造形物を作ることが出来ることです。

また、超音波接合法では複雑な金属部品の製造が可能なため、
航空宇宙産業などでの使用が期待されています。

ラミネート製造法を用いた3Dプリンタに
「Solido SD300 Pro」という機種がありました。

こちらは材料に専用PVCシートを使用し、
最大サイズ170mm×220mm×145mm(XYZ)の造形物が製作出来ます。
本体サイズも450mm×725mm×415mmとデスクトップ型として申し分ない
サイズ感でオフィスでの使用も可能。
価格は当時で約15000US$(約160万円)程でした。

機種紹介動画
Solido SD300 Pro

超音波結合法を用いた3Dプリンタでは
「SonicLayer R200」という機種があります。

こちらは材料にアルミニウム、銅、ステンレス鋼、チタンなどの
金属箔を使用した3Dプリンタです。
造形範囲は約550mm×550mm×250mm(XYZ)です。

このSonicLayerはR200の他に1200,4000,7200というシリーズがあり、
数字が大きくなると設備も大型化していきます。
SonicLayer7200では約1820mm×1820mm×1600mm(XYZ)と
かなり大型の造形物を作ることが出来ます。
ここまでいくと航空宇宙産業の分野かもしれませんね。

機種紹介動画
SonicLayer 7200

ここまで読んでいただいてラミネート製造法の説明が過去形なことに
気が付かれた方はいらっしゃるでしょうか?

自分が調べた範囲ではラミネート製造法を用いた3Dプリンタは
現在販売していない様です。

おそらくですが、光造形やFDM方式3Dプリンタの低価格化が
進んだことで、材料のロスが多いラミネート製造法の3Dプリンタは
廃れていってしまったのかもしれません。

シート積層法3Dプリンタのメリット
・材料の幅が広い(PVC、紙、金属など)
・比較的大きな造形が可能
・シート積層後に穴開けなどの機械加工が可能

シート積層法3Dプリンタのデメリット
・寸法精度がわずかに低い
・他3Dプリンタと比べ、成形できる形状に制限がある
 (中空形状は作れない等)
・作る形状によっては材料ロスが多い

3Dプリンタの中でも既に廃れてしまった方式があるんだなと
記事をまとめる為に調べながら思いました。

3Dプリンタという括りから除外すれば、
この「シートを重ねていく」というやり方は
材質を問わず使われているので理に適った方式なのは間違いないですね。

木像や氷像などでも大まかな形状に切り取った木の板や
氷の板を重ねて置いて、細かい所を掘り込んでいく
といった作業風景を見たこともあります。

段ボールや発泡スチロールで作った像も
作るカタチに切り抜いた素材を重ねていくことで立体していきますね。

その時代のニーズに合った手法が残っていくのは、
どんな分野でも同じですから3Dプリンタも
この先もっと違った方式が出てくるかもしれませんね。

さて、次回はインクジェット方式をご紹介していきます。

皆様、お楽しみに!

それでは、ここまでのご愛読ありがとうございました。

by M.I

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