これも作ってみよう!というチャレンジ
こんにちわ
月が変わって11月よ!(某美少女戦士風)
なんて小ボケをかまして皆様の周辺温度を下げたところで、先週ぐらいから金沢は最低気温が1ケタの日が出てきて本格的に冬の到来を感じます。
さて、今回作ったものはTさんの愛車アルファロメオ156GTAにも搭載されているV6エンジンで使用されているウォーターポンプの“インペラー”です。
おそらく多くの人が「インペラーとはなんぞや?」と思われると思います。(私もそうでした)
ということで、以下Wiki先生から引用です。
インペラー(英: impeller, impellar)とは、液体・気体用の遠心力ポンプや発電機等に使用される羽根車のことである。
原動力から液体・気体を送ったり、逆に液体や気体の流れを原動力にする事が出来る。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%BC
( ゚д゚ )ポカーン という方もいらっしゃると思いますので、端的には「ポンプの中に入っているプロペラの事をインペラーと呼ぶ」という認識でよいと思います。扇風機の羽のようなものと思ってください。
上の画像の中央に写っている黄色?アイボリー?っぽい円形の部品がそれに当たります。自動車はウォーターポンプ内でこのインペラという部品を回転させることで、冷却水をタンクからエンジンの冷却用パイプへ送り出して、エンジンを冷却しながら走っています。見えないところにある部品ですが、とても重要な部品だったりします。
アルファロメオのV6エンジン搭載車に使用されているインペラはプラスチック製ということもあり、エンジンからの熱などの影響や経年劣化により、変形やクラック(ヒビ)が入ってしまうことがあります。そのまま放置していると異音の原因になったり、さらには回転に負けて捩じ切れてしまったことで冷却水が循環しなくなってエンジンがオーバーヒートする等の大きな問題になってしまうことも…。
こういった部品も後々絶版になってしまうかもしれない!ということで、モデリングしたものを3Dプリンター用データへ変換。
最近は調子良く造形が出来ているMF-1000で出力!
現物と比較はできませんが、ぱっと見た感じはイイんじゃないでしょうか?綺麗に羽も造形できていてシャフト貫通部も綺麗な円で出力できていると思います。ということで、”実際に使えるのか”検証してもらう為、今回はこちらを搭載して200kmほど走ってもらいました!
なんてことはしていません。前置きでも記載していますが、熱要件をクリアする材料でなければ故障の原因になってしまいます…こちらは材質がPLAなので熱に弱い為、このまま使用するのはNGです。もしも、本当に使用するのであれば強度や耐久性を考えると、金属3Dプリンタを用いてSUS材で造形するのが良いと思います。プラスチックで作るのであれば、最低でも耐熱性のあるナイロン素材で造形するぐらいはしないとダメでしょう。
ちなみに、このアルファのインペラですが、約3万キロ~5万キロほどで摩耗、クラックの症状が発生することが多いそうで156系V6エンジン搭載車の持病的な言い方をされているショップさんやユーザーさんの記事がチラホラありました。水温異常の修理でオーバーホールを行う際、インペラの交換もオススメしているそうです。(私が調べた範囲でそういう記事を書いているショップさんがあった程度ですので、必ず交換が必要というわけではありません。)ショップさんによっては金属製のインペラに交換するところもある様ですが、メーカー純正品はプラスチック製のインペラなんだとか…重量やコスト面ですかね…。
いろいろと書いていますが、自動車をお乗りの方は実は他人事でもなかったりするお話ですよ?冷却用のウォーターポンプは基本的にすべての車に搭載されています。電気自動車もモーターやバッテリーを冷却するために搭載されているようです。ポンプがあるということは、中に冷却水を送り出すためのインペラが入っているということですね。そのインペラが破損してしまうとオーバーヒートの原因になってしまうかもしれません。通勤で使っている方も、普段あまり乗らない方も、日常点検を行うことで車からの声を聞き漏らさない様にしましょう。
…あれ?何の話でしたっけ?車は大事に乗りましょうじゃなかった気が… ぁ 3Dプリンタの話でしたね。うんうん
ということで、こんな部品も3Dプリンタで作ることが出来るんだよーという紹介でした。車に限らず、身の回りにあるものでプラスチックで出来ているものは「もしかしたら3Dプリンタでも作れるかもしれない」、「もっとシンプルな形に出来るかも知れない」なんて考えながら作れそうなものを探すのもいいかもしれませんね。ちょっとやってみようかしら…
それでは、今日はこの辺で失礼します。読んでくださり、ありがとうございました。
By M.I.
岸 竜也 (きし たつや)
株式会社キシテック 代表取締役
3Dプリンターを使ったモノづくりを提案しています。
機械設計を生業としてきたため、設計力に自信があります。
様々な分野から、試作品等の依頼を受け、製品化のお手伝いを多数してきました。
手書きの絵から、3Dデータを起こして、3Dプリントすることも。
自身も設計のみならず、機械加工、機械板金加工、溶接などのモノづくりを経験してきた実績があり、いろいろモノづくりを相談出来ます。
現在は石川県工業試験場様や、ISICO(石川県産業創出支援機構)様、JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)様、石川工業高等専門学校様などと、繋がり多方面での対応が可能です。