データがあればサイズ変更は自由自在!サイズ変更で麻雀牌を製作!
みなさん、こんにちは
3Dデータ・3Dプリントの活用例を紹介してきましたが
在り物のサイズ変更といった例はこれまでありませんでした。
そうした点から
今回は、“サイズ変更”をテーマに3Dデータから麻雀牌を製作した事例をご紹介。
※3Dデータ作成には、3DCAD『Fusion360』を使用しています。
↓『Fusion360』についてはコチラをご覧ください↓
1. 3Dデータ作成
まずは、麻雀牌のデザインを下絵にし、”スケッチ”を使用してデザインを描いていきます。
↓※”スケッチ”に関する解説はコチラをご覧ください。↓
スケッチが完了したら、外形を押し出して3D化していきます。
麻雀牌の標準的な厚みは、日本だと16~16.5mmが主流らしく
それに合わせて16mmの高さで押し出しました。
外形の押し出しが完了したら
今度は”一萬”の文字を反対方向に押し出し、彫り込みます。
上画像のように牌の半分の厚み(8mm)まで彫り込んでみました。
実物は浅い掘り込みですが、見栄えも考えて深めにアレンジしてみました。
大きめの画像(下絵)を参考にデータ作成していたので、縦幅×横幅が実物と異なっています。
実物は、縦幅×横幅が約26mm×19.5mmとなっており
現在の3Dデータは65mm×48mmであることから違いは歴然です。
どれくらいのサイズ差があるのか比較するために
実物サイズのデータも作ってみます。
2. 3Dデータのサイズ変更
今回使用している3DCADソフト『Fusion360』では
“[ソリッド]-[修正]-[尺度]”を選択すると、3Dデータのいわゆる拡大縮小ができます。
この機能を使って、作成した3Dデータを実物サイズにしていきます。
『Fusion360』では数値を入力する際に計算式にも対応しているため
48mmの横幅を正確に19.5mmに変更することができます。
変更後の数値に問題がなければ、縦幅も同様に尺度変更します。
65mmだった縦幅が26mmに変更されました。
ここで、変更前の3Dデータと比較してみます。
サイズ変更がしっかり反映されていますね。
文字の掘り込みのバランスも維持されており、問題なさそうです。
続いて、高さ方向の比較です。
高さ方向の尺度は変更していないので、サイズ変更前と高さは変わらないのですが
斜めから見た印象は大きく異なりますね。
実際の持ちやすさを考慮すると、高さ方向もある程度必要なのだと分かります。
3. 3Dプリント
3Dデータ作成が完了しましたので
FDM方式の3Dプリンタを使用して3Dプリントを実施していきます。
↓FDM方式の3Dプリンタに関してはコチラ↓
実際にサイズ変更前の麻雀牌を3Dプリントしてみると・・・
こんな感じに3Dプリントできました。
テスト用の3Dプリントだったこともあり
少し荒くなっていますが、文字の掘り込み部分もしっかり確認できます。
ただ、この深さの掘り込みを
FDM方式の3Dプリントすると、この大きさが限界ですね。
「萬」の字の一部が既に折れそうです。
最後に、実物の麻雀牌と比較してみました。
比較してみると
3Dデータで比較した際と同様、サイズ・掘り込みの違いが分かります。
このように、3Dデータさえ作成してしまえば
サイズ変更はもちろん、変更前・変更後の比較も可能です。
また3Dプリンタを使用すれば、手早くリアルタイムで比較することも可能になります。
弊社では3Dデータ作成はもちろん、3Dプリントサービスも展開しております。
手早く比較・検証したい方、3Dデータ作成が難しい方などは
モノづくりのパートナーとして、ぜひ弊社にご相談下さいませ。
by 担当Y
岸 竜也 (きし たつや)
株式会社キシテック 代表取締役
3Dプリンターを使ったモノづくりを提案しています。
機械設計を生業としてきたため、設計力に自信があります。
様々な分野から、試作品等の依頼を受け、製品化のお手伝いを多数してきました。
手書きの絵から、3Dデータを起こして、3Dプリントすることも。
自身も設計のみならず、機械加工、機械板金加工、溶接などのモノづくりを経験してきた実績があり、いろいろモノづくりを相談出来ます。
現在は石川県工業試験場様や、ISICO(石川県産業創出支援機構)様、JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)様、石川工業高等専門学校様などと、繋がり多方面での対応が可能です。